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自己破産と仕事の関係|制限を受ける職業・資格一覧

  • 文責:所長 弁護士 羽藤英彰
  • 最終更新日:2025年1月10日

自己破産をすると、一定の期間ではありますが、就けない職業があることは確かです。

しかし、「自己破産で資格を剥奪される」「自己破産できない職業がある」「自己破産をすると将来なれない職業がある(就職できない)」ということはありません。

職業制限・資格制限自体も、その後一生続くものではないのでご安心ください。

もっとも、自己破産による資格制限中の生活(収入源の確保)はもちろん、会社を解雇されないか・資格を剥奪されないか等について不安に思う方は多いと思われます。

そこで今回は、自己破産と仕事の関係について解説します。

1 自己破産手続中の職業制限について

各法律の定めにより、自己破産をすると一定の職業に就くことについては、制限がかかります。

このことは「自己破産のデメリット」としてご覧になったことがある方もいらっしゃるかもしれません。

ただし、制限される期間は限定的です。

多くの場合、職業の制限を受ける期間は、破産申立てをして開始決定から免責許可の決定が確定するまでの4〜6ヶ月間です。

自己破産をしたからといって、永久にその仕事に就けなくなるわけではありません。

また、「自己破産できない職業」「自己破産することで将来なれない職業」というものも存在しません。

もっとも、一時期でも就業できないと、生活に支障を来す、または自己破産したという事実が会社に知られてしまう可能性はあるでしょう。

2 資格制限がかかる職業の一覧

では、自己破産の手続き中に制限される職業(できない仕事)の一覧をご紹介していきます。

⑴ 弁護士、司法書士、宅建主任者等の士業

弁護士、司法書士、行政書士、弁理士、宅建主任者などの一部士業は、自己破産をした場合は欠格事由に相当するので、申立てをして開始決定から復権までは登録をすることができず、その間は士業としての仕事をすることができません。

⑵ 一定の職業

生命保険募集人、警備員、旅行業務取扱主任者、貸金業登録者、質屋、建築士事務所開設者、一般建設業・特別建設業などの職業に従事する人は、自己破産申立てをして開始決定から復権までの間はその仕事に就くことはできません。

⑶ 会社取締役、執行役、監査役

会社役員は自己破産による欠格条項はありませんが、自己破産申立てをして開始決定によって委任契約が終了する(民法653条2号)ので、一旦地位を失うことになります。

【会社役員は再任されれば就任できる】

会社の取締役や監査役は自己破産で委任契約が終了しますが、破産の手続き中であっても株主総会で再任されれば、同じ役職に留まることも可能です。

⑷ 人事官、教育委員長や教育委員

人事院の人事官や、市町村の教育委員会の委員長・委員は、既に任命されている場合、法律の規定により自己破産の申立てをすると退職することになります。

⑸ 公正取引委員

公正取引員は、破産開始の決定を受けた場合、罷免されることがあります。

⑹ 商工会議所など団体企業の役員

自己破産をして復権を得ない場合は、商工会議所の会員の資格がなくなるので、商工会議所など団体企業の役員はできなくなります。

また、復権するまでの間は後見人、後見監督人、保佐人、補助人、遺言執行者などにもなれません。

これらの役職は、他人の財産を管理する役割を担うことから、経済的破綻者におこなわせることは適当ではないとされるためです。

このように、自己破産の申立てによって資格制限を受ける場合は、制限期間中は当該資格に基づく業務を行うことができません。

その後、免責が決定した場合、復権して以前と同様に働くことが可能です(復権後は士業などの登録もできるようになります)。

主にお金や資産を預かる職業の人は制限を受けやすく、資格職でも医師、看護師、介護士などは特に影響を受けません。

また、公務員の場合も職業制限はありません。このように、一般的な会社員の方においては、自己破産による仕事への影響を強く心配をする必要はありません。

実際には資格制限を受けない職業の方が多いですので、不安な方は一度弁護士に確認されることをおすすめします。

3 自己破産中に制限される仕事への対応策

上記のような資格制限を受ける仕事をしている場合でも、その制限を受けるのは申立から復権までの4ヶ月~6ヶ月ほどです。

復権後は問題なくそれまでの仕事に従事できますし、国家資格が剥奪されることもありません。

もっとも、数ヶ月でも仕事ができなくなると、生活に大きな影響が生じることも考えられます。

では、具体的にどのような対策を取り得るのでしょうか。

⑴ 所属部署を変えてもらう

自己破産を選択することになった場合、別部署へ異動すれば問題なく仕事ができる資格・職業ならば、職場の人に相談をして、復権までの間は別部署で働くよう調整してもらうことが考えられます。

⑵ 一旦退職して再雇用してもらう

⑴ができない場合には、現在の職場を一旦退職(自主退職)し、復権後に再雇用してもらうという方法があります。

しかし、再雇用までの間は、今までと別の方法で収入を得る必要があるでしょう。

なお、職業制限を受けた後に転職するにしても、法的には自己破産により転職が不利になることはありません。

通常であれば履歴書などに破産歴を書く必要もないのでご安心ください。

(ただし、金融機関などでは、面接などでブラックリストに掲載されていないかを確認されることがあるようです。)

【自己破産を理由にした解雇は禁止】

資格制限を受ける職業の場合、自己破産の事実はどうしても会社に知られてしまいます。

それ以外でも、会社から借金をしている場合や、給与の差し押さえを受けていた場合は、勤務先に借金の存在が知られてしまうでしょう。

しかし、自己破産を理由にした解雇は禁止されているので、解雇される心配はありません。

ただし、事実上肩身の狭い思いはする可能性はありますので、その点については予め認識をしておく必要はあります。

⑶ 自己破産以外の債務整理を検討する

資格制限があるのは、債務整理の中でも自己破産手続きだけです。

個人再生や任意整理では、資格・職業の制限はありません。

資格制限が気になる場合、まずは弁護士に相談してご事情に合わせた債務整理方法を検討してもらうと良いでしょう。

自分では自己破産しかないと思っていても、専門家の目から見ると個人再生で解決可能ということもあり得ます。

4 自己破産と仕事(職業・資格)に関するよくある質問

⑴ 自己破産したらどのような職業に就けないのか(一覧)

自己破産の手続き中に制限される職業(できない仕事)の一覧は、以下の通りです。

※いずれの職業も、復権さえすれば、以前と同様に働くことが可能です。

  • ・弁護士、司法書士、行政書士、弁理士、宅建主任者等の士業
  • ・生命保険募集人、警備員、旅行業務取扱主任者、貸金業登録者、質屋、建築士事務所開設者、一般建設業・特別建設業など一定の職業
  • ・会社取締役、執行役、監査役
  • ・人事院の人事官や、市町村の教育委員会の委員長・委員
  • ・公正取引委員
  • ・商工会議所など団体企業の役員
  • ・後見人、後見監督人、保佐人、補助人、遺言執行者など

主にお金や資産を預かる職業の人は制限を受けやすく、資格職でも医師、看護師、介護士などは特に影響を受けません。

また、公務員の場合も職業制限はありません。

⑵ 自己破産をしても働くことはできるのか

自己破産による職業の制限は一時的なものです。

「自己破産で資格を剥奪される」「自己破産できない職業がある」「自己破産をすると将来なれない職業がある(就職できない)」ということはありません。

⑶ 自己破産をした後の職業制限・資格制限はいつまでか

一定の仕事に従事できなくなるのは、破産申立てをして開始決定から復権を得る(一般的には、免責許可の決定が確定する)までの4〜6ヶ月間です。

職業制限・資格制限がその後一生続き、働けなくなるということはありませんのでご安心ください。

5 まとめ

以上の通り、資格制限による勤務先への影響は限定的です。

自己破産により一生今の仕事ができなくなるわけではありませんし、自己破産が原因で解雇されることもありません。

将来なれない職業や、取れない資格というものもないのでご安心ください。

債務整理による資格制限・職業制限を心配するよりも、自己破産などで債務を整理し、今後の生活、仕事に集中できるようになる方がメリットも大きいと言えるでしょう。

資格制限にかかる職業に就いている方、借金問題でお悩みの方は、ぜひ当法人にご相談ください。

借金問題の解決に強い弁護士がトータルでサポートいたします。

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